小胸筋は大胸筋の下層にある筋肉で肩甲骨の烏口突起につきます。
肩甲骨の烏口突起に付くため小胸筋が短縮すると肩甲骨の可動域制限や前傾などの位置異常の原因にもなりえます。
また小胸筋の下には腕神経叢や鎖骨下動脈、鎖骨下静脈などが走行するため小胸筋による絞扼が起きる場合があります。これを胸郭出口症候群の中の過外転症候群(小胸筋症候群)などともいわれたりします。
個人的には小胸筋がタイトネスになっている場合は僧帽筋の下部や下後鋸筋などの機能不全になることにより結果として小胸筋の短縮や拘縮が起きていることが多いため小胸筋の単独のアプローチよりこれらと一緒にアプローチをすることが多いです。
また小胸筋の一部線維は烏口上腕靭帯と合流するため肩関節の安定性に関与していることも考えられます。
※小胸筋の刺鍼は刺鍼の深さによっては気胸のリスクがあります。安全面は絶対忘れないようにしましょう。
【刺鍼法】
- 側臥位で小胸筋の刺鍼を行っていきます。
- 小胸筋の触察をする場合リフトオフテスト(lift off test)の形で行っていきます。
- リフトオフテストの要領で負荷をかけていきます。この時ポイントは肩甲骨の前傾が出るように行いましょう。
- このように負荷をかけることで小胸筋のレリーフが解かると思います
- 外縁は第5肋骨、内縁は第2肋骨に向かい触っていきましょう
- 小胸筋のレリーフを確認出来たら刺鍼を行います。
- 外縁、内縁あたりに刺鍼をします。角度は肋骨の走行に対して90度で斜刺していきます。
- 1.5cm程度刺入(個人差があるので深さだけを目安にしないこと)をしたところで電気鍼を行います。
- 小胸筋が筋ポンピングを起こして施術をすることが多いです。(設定は5Hz程度で通電します)
小胸筋の電気鍼におすすめ書籍
鍼灸師、柔道整復師の陣内由彦です。
セイリン、伊藤超短波公式セミナー講師
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