烏口腕筋の電気鍼

烏口腕筋は肩甲骨の烏口突起から始まり上腕骨内側に終わる筋肉です。

肩関節の臨床ではあまりアプローチをしない筋肉かもしれませんが非常に重要な筋肉だと私は考えています。拘縮すると結帯動作の原因にもなる筋肉ですし、筋中には筋皮神経が貫通するため前腕の障害にも関係します。

筋皮神経は上腕では運動枝を出しますが前腕部では皮神経になります。特に烏口腕筋部で絞扼されると前腕外側皮神経での障害を出すといわれています。

ただ刺鍼部は腋窩に近いところで肌の露出が多くなるので配慮も忘れてはならない部位になります。

解剖学的には上腕動脈、腕神経も通過するため粗雑な刺鍼は厳禁になります。

 

※刺鍼はどの部分でもそうですが安全面、肌の露出など必ず配慮が必要です。また神経との位置関係も必ず把握しておかなければなりません。

 

【刺鍼法】

  • 仰臥位で行うと刺鍼はしやすいと思います。
  • 腋窩より5cmほど遠位上腕内側に少し指を鎮めると上腕動脈の拍動を感じると思います
  • 上腕動脈の拍動を感じたらやや上腕伸筋群よりに指を当てると烏口腕筋に当たると思います。
  • 前腕外側皮神経を狙う場合は腋窩より5cmあたりが絞扼部といわれますのでその辺りを刺鍼します。
  • 烏口腕筋に刺鍼をしたら多くは筋ポンプを狙った設定で鍼通電を行います。
  • 腕神経叢に近いので急に出力を上げると筋収縮が前腕部に起こりますので注意が必要になります。

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